お子ちゃま選手権IXXL (2013-01-13)

アサシンズ 39‐22 エクスキャリバーズ

うわーアサシンズ強いよ~。敗ける要素なんかどこにもねえじゃん。

真の強者はオールラウンダーなのだな。できて当たり前のことが当たり前にできてしまう。どこが強いから勝った/勝てたと言われているうちは、まだまだ未熟ということさ。

キャプテン#2泉君のスピーチが感謝の言葉に終始した点がすごい。呼気から高濃度の全能感が検出されてもおかしくない状況で、あれだけ謙虚な文言が溢れ出るのか。大学ラグビーはよくも悪くも教育の一環という軛から抜け出せないのですが、アサシンズは競技力の向上と人格形成が矛盾なく行なえているんだなあ。

競技力も人格も向上させられない自称名門校もある。競技力向上の影で大麻栽培が流行していた旧強豪校もある。

いや、教育の一環であればこそ、このキャプテンやこのチームを作り上げることができたのでしょう。

戦術については戦術家の詳細な分析を俟ちますが、戦略的には強力FWを擁するチームが展開ラグビーを指向した際の破壊力を示したと言えます。展開ラグビーほど彼我のFWの差を見せつけられるプレイスタイルはない。弱者の最後の希望をも打ち砕くラグビーである。…そんな夢にすがりついているから弱者なのだが。

愚考するに、最高の能力を持ったFWとは、展開ラグビーを支え得るFWである。

四連覇の壁の向こうには八連覇の壁か。かつて新日鐵釜石と神戸製鋼が挑み、そして破れなかった壁ですが、アサシンズも赤いジャージだな。これは先人らと同じく八連覇ならずという凶兆だろうか。それとも七連覇までは大丈夫という吉兆なのだろうか。

一方のエクスキャリバーズはどうか。

アサシンズOFを一人では止められないので二人、三人と人数をかけざるを得ない。必然的に全体のDFが薄くなり、次の局面では突破されてしまう。アサシンズのポゼッションを揺るがすことができない以上、OFのテンポを乱すこともできない。戦術的には打つ手なし。

エクスキャリバーズの(そしてその他の)戦略的失敗は、あくまでも比較上の問題ではあるが、アサシンズほど徹底してフィジカルを鍛え上げなかったところにあるでしょう。アサシンズより手前で妥協してしまった。アサシンズはさらに遠くを目指した。それが可能になったのは、岩出氏がフィジカルトレーニングの彼方にあるものを明確に示せたからではないか。練習メニューを淡々とこなすだけでは早晩行き詰る。その向こうに明確な目標があるから、もうひと踏ん張りがきいたのだろうな。逆にエクスキャリバーズはそこで明確な目標を与えることができなかったと思われる。

打つ手なしとは言ったものの、もしかすればもうちょっと接戦を続けることができたのではないかと思われるポイントもありました。

エクスキャリバーズは前半16分の正面12mPKから犬モールを狙いました。いやはや、こんな悪手はない。レギュラーシーズンの対戦時はいざ知らず、決勝ではまだ立ち上がりとはいえここまでFW戦で後手を踏み続けてきたチームが採るべき選択肢ではありません。ラインアウトをするにしても、敢えてマイナスキックで浅い位置から素早く展開するという工夫もあるだろうに。もちろんベストの選択はPGです。点を獲れるところでは確実に加点することが、たとえ見た目には弱気に映ろうと、勝利に向けては最も大胆で最も強気な選択肢であろう。

見た目の派手さを価値基準の上位に置くのはむしろ害毒でさえある。真っ向から犬モールを挑んだエクスキャリバーズはあっけなく逸機(アクシデンタルオフサイド)。それどころか逆に攻め込まれてトライを獲られてしまいます。

ラインアウトは彼我のBKライン間に20mの空白が生じるセットプレイである。この広大な区域をどう使うか。戦術家の怠慢であることは論を俟たないが、戦略家もその責任の一端を負うべきであろう。犬モールというFW力勝負の場を機動力勝負の場に転換することでどのような状況をもたらせるか、それを考察するのは各チームの戦略家の職掌であろうから。

それでも……それでもエクスキャリバーズの勝ち目はやはり薄かったでしょう。しかし、たとえわずかであろうとより勝ち目のある方途を模索することは、プレイヤーの、チームの、そして首脳陣の義務です。なぜなら、試合はいまピッチにいるプレイヤーだけのものではないからだ。リザーブで控えている選手、ブレザーでスタンドにいる部員、そうした仲間たちの代表としてジャージに袖を通す以上は粘り強く戦う義務があろう。悔いのない試合をしてくれと言われたとしても、それは言ったやつ自身に悔いが残らない試合とせよという意味で、言われたやつが滅びの美学に酔い痴れよという意味ではないはずである。

エクスキャリバーズ#12中靏君は……有望選手なの? セミファイナルでトライトンズと接戦する羽目になった、ちょっとタメを入れられると勝手に外に流れる癖は抑え込んだみたいだけど、もともとDFは不得意な選手なんだろうなあ。DFに神経使ったせいか、OFでは決断力に欠ける。要するにぱっとしなかった。

録画映像を見直したら、上記の犬モール狙いからのアサシンズ逆襲にあたり、#12荒井君のビッグゲインも中靏君が外側を抜かれていました。賢兄愚弟であってほしいと思っていたんだがな。

決断力を書いたのは#10片桐君もそうだったなあ。…結局アサシンズに呑まれていなかったのは彦坂ツインズ両君と#11福岡君くらいか。そりゃ勝てんわ。

勝っていれば笑い話なんだろうが。

ところで筑波大学は今日でも3S政策を採っているのだろうか。いや、いままでも大学当局は公式に認めていないと記憶しているが、3SとはStudy・Sports・Sexである。生理学や運動学、栄養学などの学術的知見を戦術研究と連動させることでアサシンズに比肩し得る環境を構築できるのではないか。これはラグビー部に限ったことではないぞ。

なお、筑波大学が国立大学であることからわれわれの税金でラグビーをしているといったルサンチマン、失礼、批判が一部にあるようだ。私立大学にも私学助成金、正確には私立大学等経常費補助金という名目で税金が注入されていることはルサンチくんも知っておくべきだろう。

なお、これは私立学校が文部科学省に申請し、審査を通ってはじめて支給される。申請しなければ一銭も出ない。ルサンチくんはこれも合わせて知れ。

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©SERPODA 作成:2013-01-20