釜石SW vs 横河電機 (2005-10-09)

トップイーストリーグ10

ref. 新野 好之氏、第三タッチジャッジ:菅野成厚氏

in 北上

出場選手

釜石SWNo.横河電機
氏名R/S氏名R/S
浅田 哲哉1藤田 登
重枝 孝二2谷口 剛
武藤 恵介3坂毛 英之
保坂 豪4山崎 豪
桜庭 吉彦→S195内藤 公洋→R19
三浦 智拓6辻田 基紀→S16
及川 浩樹7安藤 達也
F. テビタ8O. ハッサネン→S18
池村 章宏9中野 修
H. テイラー→S1610長谷川 賢→S22
金 和則→S2111佐藤 幸士
森 闘志也12深堀 敏也
津嶋 俊一13F. カリモア
木立 博臣→R2214多賀 秀記→R20 池原 忠治
篠原 洋介15藤山 慎也
京野 和也16C. スプローツ
下山 信吾17齋藤 滋
佐野 竜介18荒川 治
岡崎 英二19木村 耕
八重樫 俊介20池原 忠治
藤原 誠21B. ケリー
I. タニブラ22中崎 宏

横河の選手交替/入替はかなり微妙です。競技規則第3条第4項および第5項(d)により、スターターの第一列が全員フル出場していて、LO以下で6名の交替/入替があったのですから、横河電機はスターター第一列の誰かがスクラム時にLO以下に下がっていたはずですが……確認できませんでした。スプローツ君はスクラムの最後尾にいたから荒川君がフロントローに入っていたかなあ。

得点経過

  釜石    0 3           6       13                            13
           P            P        G
1st Half  0----+----1----+----2----+----3----+----4---      SCORE
                  G
  横河    0       5                                            5
	
  釜石   13             20                                    20
                         G                               S
2nd Half  0----+----1----+----2----+----3----+----4----+--- SCORE

  横河    5                                                    5
	
前半00分 釜石 0‐0 横河
釜石キックオフ、#13津嶋君。南へ。
前半01分 釜石 3‐0 横河
釜石PG左中間29m成功、津嶋君。
前半03分 釜石 3‐0 横河
横河交替: #14多賀秀記君→#20池原忠治君。
前半08分 釜石 3‐5 横河
横河T、#13カリモア君。右辺のFW攻撃の連続から。
G右スミ22m失敗、#9中野君。
前半14分 釜石 6‐5 横河
釜石PG正面右39m成功、津嶋君。
横河FWによる#11金君へのハイタックル。
前半20分 釜石 6‐5 横河
横河の展開攻撃、ラックを連取して攻め込む。右スミGoal at 1で釜石#15篠原君が潰す。
これで横河は「BK攻撃ではダメだ」と思ったのだろうか?
前半22分 釜石 6‐5 横河
横河、正面右6mのPKでスクラム選択。
この悪手が敗因。
前半23分 釜石 13‐5 横河
承前、釜石T、#8テビタ君。。横河スクラムのこぼれ球を釜石が確保、右へ散らすも#14木立君がカットインしてテビタ君へ返す。60m独走。
G右スミ29m成功、津嶋君。
前半27分 釜石 13‐5 横河
釜石陣22m手前の横河ラインアウトで、横河のウェイスとオブタイム。スロワーの#2谷口君の投入の遅れによる。
前半33分 釜石 13‐5 横河
アドバンテージを得た横河、釜石ゴール前ラックから中野君が左スミに飛び込む。しかし横河にオブストラクションがあり、左Goal at 6のPKとなる。
前半34分 釜石 13‐5 横河
承前、横河PKでスクラム選択。釜石のコラプシングでアドバンテージを得て展開、#12深堀君が対面の#12闘志也君を抜くもののノックオン。左Goal at 6のPKとなる。
前半35分 釜石 13‐5 横河
承前、横河PKでスクラム選択。釜石#9池村君の飛び出しが早い。
前半36分 釜石 13‐5 横河
承前、横河PKでスクラム選択。横河FLの飛び出しが早く、釜石のPKとなり逸機。
前半22分のスクラム選択で自縄自縛の横河。
前半43分 釜石 13‐5 横河
釜石の左展開。#12→#13→#11と渡り、金君が30mゲイン、Goal at 7でタッチに押し出されそうになり、内に返してラック、こぼれ球を金君自ら拾って左スミに飛び込む……が、なぜかトライは認められず。
ハーフタイム。
金君がタッチに押し出されていればその時点でデッド。内に返したのがスローフォワードだったか、そのボールに働きかけたときにノックオンがあったか。それ以外だとどちらかのPKかFKで続行のはず。
後半00分 釜石 13‐5 横河
横河キックオフ、#10長谷川君。
後半02分 釜石 13‐5 横河
横河スクラム。直前に釜石#7及川君がコンタクト交換で外れるが、一時交替選手なし。釜石は7人でスクラムを組む。
釜石の準備が遅れたのか、第三タッチジャッジの無知か?
後半03分 釜石 13‐5 横河
承前、横河スクラム。中野君のサイドアタックをFLの位置に入っていたテビタ君が潰してターンオーバー、池村君から金君に渡り、金君のラン。捕まってノットリリースザボール。
後半05分 釜石 13‐5 横河
釜石の連続攻撃。中盤から闘志也君のタテ、つないだ金君がタテからフリーのテビタ君へ。テビタ君はGoal at 4でタッチに押し出される。
後半09分 釜石 13‐5 横河
釜石、ゴール前のDFからターンオーバー。#10テイラー君のオープンキックを#2重枝君がチェイス。惜しくもノックオン。
この局面でオープンスペースへ大きく蹴り込むというスクールボーイなら当然の最善手がひらめいたテイラー君に幸あれ。過去の試合では単独ランで自滅していたが、よくここまで成長したなあ。日本の高校生並みのことができるのなら元NZセブンズ代表も捨てたもんじゃない。重枝君もよく走った! こうしたプレイの積み重ねを人は信頼と呼ぶ。
後半14分 釜石 13‐5 横河
横河交替: #6辻田基紀君→#16C.スプローツ君。横河入替: #8O.ハッサネン君→#18荒川治君。
釜石入替: #5桜庭吉彦君→#19岡崎英二君。
後半15分 釜石 20‐5 横河
釜石T、テビタ君。金君のランからつないだ闘志也君のランが不発。テビタ君が寄って自ら突破。
G正面右12m成功、津嶋君。
横河入替: #13F.カリモア君→#21B.ケリー君。
後半23分 釜石 20‐5 横河
釜石入替: #8F. テビタ君→#16京野和也君、#14木立博臣君→#21I.タニブラ君。
後半27分 釜石 20‐5 横河
横河のFW攻撃。密集ごと右辺のインゴールになだれ込むが惜しくもヘルド。あるいはタッチダウンの瞬間をレフェリーが確認できなかったのか。
後半28分 釜石 20‐5 横河
承前、横河の5mスクラム。スクラムを押し込むがボールコントロールできず。釜石がオフサイドでこぼれ球を確保。
後半29分 釜石 20‐5 横河
承前、横河PKでスクラム選択。押し切れずヘルド。直前まで前進していた横河有利として、横河のスクラムとなる。
後半30分 釜石 20‐5 横河
承前、横河スクラム。#16スプローツ君のサイドアタック不発。
後半31分 釜石 20‐5 横河
承前、釜石スクラム。押し込まれるもこぼれ球をキープし、パイルアップ。
後半32分 釜石 20‐5 横河
承前、釜石スクラム。テイラー君のキックをチャージダウンされる。リバウンドをなんとかキープして蹴り出す(メモ・記憶とも不鮮明)。
後半34分 釜石 20‐5 横河
釜石入替: #11金和則君→#21藤原誠君。
横河交替: #5内藤公洋君→#19木村耕君。
後半41分 釜石 20‐5 横河
横河交替: #10長谷川賢君→#22中崎宏君。
後半47分 釜石 20‐5 横河
釜石#22タニブラ君、シンビン。ボールのないところでの不行跡。
重枝君がらみの悶着に介入してのことらしいが詳細不明。
後半48分 釜石 20‐5 横河
フルタイム。

観戦記

釜石SW

PGで刻む以上、DFはOF以上に重要です。その意味で篠原君のFB復帰と金君の先発出場は、土俵に上がる最低要件を満たしたと言えます。(勝利への必要充分条件を満たしたのではないことに留意せよ!)

久々にSO復帰したテイラー君ですが、前節までのサボタージュがうそのように80分間ゲームに参加していました。前へ出てのタックルは百発百中でした。…これでテイラー君は細川君や西田君、久々出場の闘志也君あたりとスターター争いのスタートラインに立ったわけです。

残念ながらテイラー君には改善の余地も多いのも事実です。DF時に詰めなかった場合は抜かれるか接点で大きく押し込まれるかという窮地に陥ります。キックは力技で飛距離を稼ぐのですが、七人制なら無人のはずでも十五人制なら誰かの守備範囲に落としてしまいます。キック直後の仕草がティーショット直後のゴルファーさながらだというのも嫌悪感をかき立てます。自陣ゴール前からのOFも、相手バックスリーが上がっているのにラン選択、下がっているのにキックと、およそ敵陣が見えているとは言いがたい選択です。何よりも、金君の指示を無視してDF網を崩壊させてしまうのは致命的だなあ。

下手の考え休むに似たりがテイラー君だとすれば、闘志也君は考えすぎて失敗しています。闘志也君の場合、様々なオプションを思いつくのでしょう。だから対面のプレイを絞りきれない。発想の豊かさが決断の速度と確度を阻害している、そう感じます。だからこそ、詰めろ。相手に選択肢を検討する時間を与えないのと同時に、自らも相手の奇策・秘策に怯えるヒマもなくなるぞ。

前節までのFE編制(藤原・細川両君)に代えてのテイラー・闘志也両君でしたが、DFのほつれである伝統を返上するには至りませんでした。しかし光明はあります。前で止める意識があるとDFが成功しているのです。前節の細川君も詰めたときの阻止率はかなり高いのですから、チームとしてラインDFをオフサイドライン上に待機させることなく詰めさせるよう指導する必要を感じます。ラインDFの基調を“前で止める・思い切り詰める”にすれば、現状のフロントスリーでもかなりのことが望めます。釜石BK陣にはフィールドプレイでの切り札が金君と篠原君の二枚しかなく、それをDF局面で使い切ってしまうのが残念ながら常態となっていました。切り返して逆撃という局面に投入できるのであれば、釜石の得点増・失点減に直結します。釜石の得点力が低いのは、OFで相手DFを崩すオプションが少ないのみならず、DF時に圧力をかけないことも大きな要因です。ぜひ前で止める意識を徹底してほしい。

残念ながら、釜石の現状では勝ち点5をゲット(4T以上の勝利)するのは非常に困難、いや無理です。フルタイム時に得点が相手を上回っていることで良しとしない限り、勝ち点0もあり得るのですから。今季三試合めでやっと攻守の歯車がかみ合った試合ですが、それでも快勝とは言いがたい。一蹴すべき相手を一蹴できないのが釜石の現実であると覚悟してほしい。試合で活躍する選手でも練習をおろそかにする選手は使わないのが黄金時代からの伝統ですが、練習では活躍しても試合本番で萎縮する選手の存在は想定外なのではないか。試合中の各選手のプレイをきめ細かく評価してベターな布陣を練り上げる努力こそが求められています。

たとえば、素行に問題のある重枝君は長時間プレイさせておくべきではない(タニブラ君のシンビンにも絡んでいたし)、よってスターターHOは松井君が望ましい。たとえば、企画力の代わりにサボり癖のあるテイラー君は攻防の最前線たる第二CTBで目前のすべきことに集中させろ。考えすぎる闘志也君も同様。タニブラ君がスターターWTBでテイラー君がリザーブという選択肢もあり。たとえば、現在SE的に機能している金君は本来のSOで使いたいが、セコム戦の教訓からラインに固定されたときのリスク回避の手も打たねばならない。SOは美男の藤原誠君に貸しておき、時々に応じて金君が攻守の焦点となるようポジションチェンジをしながら美男の藤原誠君の成長を待つというのはどうか。

この試合のMVPは攻守に活躍した金君ですが、陰の功労者はサボらず最初から最後まで試合に参加したテイラー君です。金君の指示に従わず自分勝手な動きも少なからずありましたが、今回だけは大目にみてやる。次節以降も精進すれば、元NZセブンズ代表にふさわしい敬意が得られるでしょう。バックスタンドに多い釜石教徒なら肩書きだけでマンセーしてくれるでしょうが、まず経歴に恥じないプレイをしてみろ。話はそれからだ。

金君の印象的なプレイを。風下の後半、テイラー君のぞんざいなキックが風に押されてヘロヘロになって横河WTBとFBが待ち受けるところに落ちてきます。追走する金君は手近なBKに声をかけ身振りを交えて指示を出します。横河の選手がキャッチしてルックアップ、このとき目の前の釜石DFは金君だけなので迷わずカウンター開始、サポートは当然内側についています。しかし金君は2 on 1にも関わらずトップスピードのまま外のキャリアへ。「バカ! 金、何やってんだ!」 コースを押さえてちょっと粘れば人数がそろう局面でいきなり突っかかるか……というのが実は罠で、60m独走トライの予感ににやけたサポートプレイヤーに津嶋君や闘志也君がビックヒット! 「…さっきの指示、これか!」

北上メインスタンドが格別なのは、後半34分に金君が力尽きて退いたときの拍手が試合後に選手が挨拶に来たときよりも大きく長かったことに尽きます。これが盛岡南だと「あのバカ、一人だけ拍手してけつかる」みたいなぬるい空気なんですよね。

いよいよビッグブルー戦です。次節(以降)に向けて、敵陣に入る手段を確立してほしい。具体的にはスペースへのキックです。自陣ゴール前から一気にトライに持ち込むことは、相手のレベルがちょっと上がればすぐ不可能になりますし、自陣に居座っていては相手の反則を誘っても相手にすれば仕切り直し程度のことでしかありません。反則に相応の罰を加えるには敵陣でのプレイが必要です。反則を趣味とする相手はおそらくいないので、もらえるPKの回数には上限があります。PGチャンスは多くはない。貴重な資源をいかに活用するかがPGで刻むラグビーのキモです。

さらに言えば、フィットネスの数値で相手を凌駕するラグビーではそこで優位に立つ相手には永遠に勝てません。以前にも言及しましたが、体力・走力勝負を標榜したチームはすべて体力・走力を消耗して惨敗しています。資源の有効利用を考えなかったための自滅です。ゴールラインを背負ってのDFで消耗するよりは、敵陣へ入るための作戦で消耗しよう。敵陣に入ることに汲々とするよりは敵陣に居座ることに汲々としよう。PGで刻むラグビーを指向したということは資源に恵まれないチームであるとの自覚の表れなのですから、得点機のみならず体力・気力もより有効に活用することを考えてほしい。自陣ゴール前の時間を極力減らすことがその第一歩です。

最後ですが、チームの全トライを獲ったテビタ君について。テビタもしくはテヴィタと発声するとき、かなり似た名称のキャラクター名を言ってしまいそうになると実感しました。この際ですから彼の呼称を当該キャラクター名にします。これから君はチビ太だ。差し入れはおでんで決まりだな。

横河電機

敗因はゴールまん前のPKを狙わずスクラム選択をしてしまったことです。ほぼ確実な2PGを放棄し、逆に1T1Gを献上してしまったのですから。このタラレバでスコアは13‐11となり、後半30分ごろの右5mスクラムで得たPK次第では逆転勝利もあり得ました。

まあ、実利か美学かの二者択一で美学を選択したわけで、部外者がとやかく言うべきことではないのかもしれません。学生さんの社交ラグビーならむしろ賞讃されるべきことでしょうよ。

それ以外に目立った点ですが、第一列の運動量がとにかく多かった。特に坂毛君は両チームのFW中最高レベルの運動量でした。あの坂毛君がですよ! 前半からPKでスクラムを選択したのはひょっとすると走力に不安があったためかもしれませんが、終盤にはむしろ釜石FWの方が戻りが遅かったのですから、フィットネスでは釜石を凌駕していた可能性は大です。やはり力点を間違えたか。

BKはもう少し工夫がほしいなあ。いわゆる接点では勝っているのですから、そのアドバンテージを広げるための手を打たなきゃ。リーグ屈指のゲームメイカーである深堀君が要所要所でハンドリングエラーをしたのも痛かった。

忘れていました!

金君の活躍やいくらかましになったテイラー君、横河電機の選択ミス、新野氏のレフェリングなどより、はるかに釜石の勝利に貢献した人物を忘れていました。欠場した細川君です。ナイスプレイ、ホソカワ! 次節以降も欠場頼むぞ!

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©SERPODA 作成:2005-10-13