セコムラガッツvs釜石SW (2004-11-14)

トップイーストリーグ10

ref. 岸川氏

in 熊谷

出場選手

セコムラガッツNo.釜石シーウェイブス
氏名R/S氏名R/S
山賀 敦之1浅田 哲哉
川口 和晃→S162松井 康輔
石塚 陽介3田村 義和
生沼 知裕4三浦 健博
S. タアラ5A. ギャラハー
斉藤 泰裕→S196高橋 竜次→S18
渡邉 庸介7京野 和也→S17
小松 元気→S188三浦 智拓
小池 善行9池村 章宏
長井 達哉→S2010越前谷 大樹
下瀬 央輔11H. マーティン→R22
S. バイ→S2212津嶋 俊一
及川 英典13細川 進
鈴木 貴士14眞野 篤司→S21
石橋 秀基15金 和則
安藤 敬介16武藤 恵介
千巖 和彦17仲上 太一
澤口 高正18R. マクドナルド
F. マホニ19佐野 竜介
鈴木 健20八重樫 俊介
遊佐 和彦21藤原 誠
N. リガイリ22津田 康太

得点経過

ラガッツ  0    3    10                  15                 15
               P     G                   T
1st Half  0----+----1----+----2----+----3----+----4-     SCORE
            P   G      G P
 釜石SW   0 3  10     17 20                                20


ラガッツ 15                   22 29                 34     34
                               G G                   G
2nd Half  0----+----1----+----2----+----3----+----4---   SCORE
                       P           ?
 釜石SW  20           23                                   23
	
前半00分 ラガッツ 0‐0 釜石
釜石キックオフ、北へ。#12津嶋君。
前半02分 ラガッツ 0‐3 釜石
釜石PG正面23m成功、津嶋君。
前半03分 ラガッツ 0‐3 釜石
釜石#15金君、自陣22m線内でノックオン。Goal at 8。
前半05分 ラガッツ 3‐3 釜石
ラガッツPG右中間11m成功、#10長井君。
前半06分 ラガッツ 3‐10 釜石
釜石T、#5ギャラハー君。キックオフのボールをラガッツがお見合いしているところをかっさらうノーホイッスルトライ。
G正面10m成功、津嶋君。
前半09分 ラガッツ 3‐10 釜石
釜石#13細川君にしてはナイスタッチ。自陣インゴールから22m線の外まで戻す。
前半11分 ラガッツ 10‐10 釜石
ラガッツT、#12バイ君。ゴール前右展開、釜石#19佐野君(一時交代による出場中)止め切れず。
G正面10m成功、長井君。
前半13分 ラガッツ 10‐17 釜石
釜石T、#11マーティン君。#10越前谷君が左パント、インゴールでマーティン君に競り勝ったラガッツ#14鈴木貴士君がファンブルしたところを押さえる。
G左24m成功、津嶋君。ナイスゴール!
前半15分 ラガッツ 10‐20 釜石
釜石PG正面31m成功、津嶋君。
前半16分 ラガッツ 10‐20 釜石
ラガッツ、キックオフのポイントオーバー。
キッカーがポイントオーバーしていなければキックングオフサイド。
前半17分 ラガッツ 10‐20 釜石
ラックで細川君のオフサイド。気持ちはわかる。
前半22分 ラガッツ 10‐20 釜石
細川君、ナイスタックル。
前半27分 ラガッツ 10‐20 釜石
ラガッツ、ターンオーバーから自陣ゴール前左展開。果敢と言うかムチャと言うか。
前半31分 ラガッツ 15‐20 釜石
ラガッツT、長井君。#9小池君→#14鈴木君→長井君。
G右23m失敗、長井君。
釜石交代: #11マーティン君→#22津田君。
前半35分 ラガッツ 15‐20 釜石
釜石サポーターの暴言。ラガッツサポーターに「うるせえよ、バカ!」
前半38分 ラガッツ 15‐20 釜石
ラガッツ、モールを18mドライブ。
前半39分 ラガッツ 15‐20 釜石
ラガッツ、小池君が抜けるも途中オブストラクション(誰が誰に?)があったとされ逸機。Goal at 7。
前半41分 ラガッツ 15‐20 釜石
ハーフタイム。
正味38分50秒。
後半02分 ラガッツ 15‐20 釜石
釜石#9池村君、どつかれ損。ラガッツにボールを渡さず。
後半07分 ラガッツ 15‐20 釜石
ラガッツスクラムを釜石がホイールしてターンオーバー。
後半08分 ラガッツ 15‐20 釜石
釜石入替: #6高橋竜次君→#18マクドナルド君。
ちょっと意外な人事。
後半10分 ラガッツ 15‐20 釜石
釜石ラックから右展開、津嶋君のオープンキックもあり自陣10m線付近からGoal at 10。
後半13分 ラガッツ 15‐23 釜石
釜石PG正面40m成功、津嶋君。
今季最長不倒。
ラガッツ入替: #2川口君→#16安藤君。
後半19分 ラガッツ 15‐23 釜石
ラガッツ入替: #8小松君→#18澤口君、#5タアラ君→#19マホニ君。
釜石入替: #7京野君→#17仲上君。
後半21分 ラガッツ 22‐23 釜石
ラガッツT、小池君。モールを押し込み、小池君が外側サイドを突破。
G左中間21m成功、長井君。
後半23分 ラガッツ 29‐23 釜石
ラガッツT、鈴木貴士君。順目の右展開から右辺を快走、釜石DF三枚を振り切る。
G正面7m成功、長井君。
後半25分 ラガッツ 29‐23 釜石
釜石、右中間21mPKを得る。サポーターの「狙え~!」という声援をよそに、タッチに蹴り出す。
この試合最大の疑問手。後半13分のPGは何だったんだ。
後半32分 ラガッツ 29‐23 釜石
ラガッツ入替: #10長井君→#20鈴木健君。
後半35分 ラガッツ 29‐23 釜石
ラガッツ入替: #12バイ君→#22リガイリ君。
後半38分 ラガッツ 29‐23 釜石
金君のタックルでリガイリ君からターンオーバー、タテにつないで最後は金君まで。釜石陣22m線からラガッツ陣22m線まで戻す。
後半40分 ラガッツ 29‐23 釜石
釜石#10越前谷君が左中間からインゴールハイパント。ゴール下で釜石キャッチするもパイル。アドバンテージが適用され釜石PKとなる。
後半41分 ラガッツ 29‐23 釜石
承前。釜石PKから速攻もラガッツにボールを奪われる。
釜石入替: #14眞野君→#21藤原誠君。
後半43分 ラガッツ 34‐23 釜石
ラガッツT、鈴木健君。スクラムからラックを経て鈴木健君がスラローム。
G左中間23m失敗、#11下瀬君。
ゴール準備中にラガッツが「まだ終わってないぞ!」の檄。それに対し釜石サポーターが「終わりだよ、バ~カ」と暴言。
フルタイム。

観戦記

ラガッツ

この試合にかける意気込みが伝わってくる編制でした。ただ釜石に勝てばよいというのではなく、シーズン終了後に振り返って「やはり釜石戦が今季のベストバウトだったな」と言える試合にしようという決意が読み取れました。釜石のFW周辺の突破をしのいでバックスリーのスピードで圧倒的な優位に立つというプランかな。

試合では……外人頼みというか、もう少しOFのオプションがあってもよかったですね。CTBバイ君に釜石はダブルチーム、トリプルチームで詰めているのに外のCTB及川君を活かせなかったことが苦戦の原因と思われます。もしバイ君がDFを集めて及川君以降をフリーにする意識を持っていたら勝負は前半でついていたかもしれません。

澤口君の都合四枚のパンツ交換は和んだなあ。ラガッツはあれで肩から変な力が抜けて自然体になれたと思います。その意味では釜石サポーターの「もうはくな!」という野次も効果的でしたね。ラグビーには笑いがないと。

フルタイム直前に飛んだ「まだ終わってないぞ!」の檄は三成が干し柿を断った故事のちょうど裏返しですね。トップリーグ定着をかけた戦いは来季以降で今季は昇格止まりでしかない。昇格をかけた大一番となるであろう相模原戦はこれからであり、第一当面の敵の釜石にすらまだリードしているだけに過ぎないではないか。…と互いに戒め合えるチームがいまいくつあるだろう。釜石はチーム初の入れ替え戦で後半43分に得たPKを最短距離(真横)に蹴り出してもフルタイムにならずあわや逆転敗けで東日本陥落となりかけたことがあり、おそらくほとんどの戦術家が無視しそうなこうした細部を評価したいと思います。

釜石

今季一番の試合でしたね! 選手もサポーターも熱い試合でした。こうした試合を続けていればトップリーグ昇格もやがて現実的な目標となるでしょう。失われていた釜石の熱気を呼び覚ましたラガッツサポーターに多謝。

戦術的にはトライにこだわらずPGを選択していったことが奏効しました。特に後半13分の正面40mでPGを選択した判断は秀逸でしたね。セコムの反則に厳罰で臨んだことが好結果となったと思います。5もしくは7失点を覚悟したDF側の条件闘争ととらえれば、PKから遅くとも三次攻撃までにトライを獲らなければPGより非効率なOFをしてしまうことになります。泥沼を避けるだけの知恵を発揮できたことが熱戦の伏線でした。

厳罰指数〔点/分〕=得点期待値÷所要時間、とする。成功率90%が見込めるPGなら厳罰指数は4.05、1分以内に80%以上の確率でトライが取れる見込みがあるのなら強攻も可。

しかし後半25分の右中間PKをタッチに蹴り出したのは疑問手いや悪手です。連続トライで意気上がる格上チームに対しゴール前ラインアウトを押し込めるものか。萩本ジャパンの轍を踏むな。

限られた得点力で勝利を収めるにはDFを重視してロースコアの試合に持ち込むべきである、それは正しい。余分なコストをかけずキックで敵陣に入る、それも正しい。しかしゴール前ラインアウトを押し込むしか手がないとしたらバカとしか言いようがありません。萩本ジャパンと違い、残り15分で6点差は逆転可能な点差です。ここで3点差に詰めておけば……PGを狙わなかったことで、釜石はこの試合でのPGを放棄せざるを得なくなりました。これはラガッツに自陣での反則を咎めないと宣告したに等しい愚挙です。そのラインアウトをあっさりターンオーバーされて試合終了。

失礼、後半38分の金君のタックルを起点にして一波乱ありましたね。自陣22m線でリガイリ君からボールを奪い、敵陣22m線でのスイープが認められて釜石ボールのスクラムを得ました。ターンオーバーの起点と終点で仕事をするとはおいしい男だ。そこから越前谷君のハイパントへ続くわけですが、ドロップで蹴っていたらDGになったかもしれないなあ。後半25分にPG成功だったら同点DGを狙うとともにFWを突っ込ませるなんてことを考えたと思うんですよ、越前谷君は。キャッチしたギャラハー君(たぶん)はタイミング的にグラウンディングしたかに思うのですが、ちょっとよく見えませんでした。

ともあれ2000年度以降前節まで綿々と続いた東芝府中‐ACT風ラグビーからここまで立ち直れたのは素晴らしいことです。伝統工芸が麻薬ならこちらは覚醒剤で、頭を蝕み心を蝕み身体を蝕むんだよなあ。PGを狙える位置でのPKをタッチに蹴り出してラインアウトを押し込む“犬モール”も新手の覚醒剤で、こうしたフラッシュバックがなくなれば完治なんでしょうね。

頭を蝕む:状況に応じたプレイ選択ができなくなる。心を蝕む:強攻しさえすれば満足する。身体を蝕む:不要のコンタクトで疲弊・故障する。

DFはラガッツと言うよりバイ君の単調さに救われた面もありますが、CTB陣が低く低く入り続けました。ヘッドキャップ着用で細川君がここまでやるとは正直思いませんでした。次は目出し帽で足首を刈りまくれ。

現在はボールを殺すタックルということでスマザー全盛ですが、人もボールも殺せずDFを一枚減らすだけの結果になることが少なからず見受けられます。スマザーだと二人めのタックラーはボールキャリアよりも最初のタックラーに対してタックルに入る形になるので、ダブルチームでDFしていても効果は薄くなってしまいます。一人めは下、二人めは上というシステムにしても、一人のキャリアを止めるのに二枚のDFを費やすので、むしろOF側にしたら思うつぼかもしれません。ラックでは「出させて止める」が励行されているわけですから、一般のタックルでも低く入って敢えてオフロードをさせる手もあるんじゃないかな。…現時点では机上のアイディアなので現場での検証が必要ですが。

こうした熱戦に水を差したのが田村君です。密集の裏に回って妨害行為を繰り返すとは、いつからサントリーになったんだ。卑怯な振る舞いを巧いプレイと勘違いするようなやつは釜石にはいてほしくない。さっさとアヌスなり顔戸製顔なり犬不忠なりに移籍しろ。細川君が臆病者の汚名を返上しつつあるときに何たる醜態か。むしろ直情径行のあまり出場停止の方がましかもしれません。

実際のところ、田村君やアヌスのクソ野郎どもの廉恥を破る反則をきちんとペナライズできるレフェリーなどA1級以上にはいませんよ。だからこそやってはいけないプレイなのです。今度やりやがったら見捨てるよ、こんなやつ。

釜石とラガッツとの差はどこにあったのか。ともにトップリーグ昇格を目標として唱えていたものの、それを現実的な目標として準備していたラガッツ、せいぜい「男のロマン」として夢想するのみだった釜石、その違いでしょう。本気で準備すればトップリーグ昇格は指呼の間にあるぞ。

残念な思い

そりゃあ一部釜石サポーターの逸脱行為ですよ。

おそらく釜石サポーター側は事前に許可を得ていたのでしょうが、ラガッツサポーター側では大応援旗とバナーの禁止を入場時に通告されたそうです(ゲートフラッグは無事に持ち込めた模様)。それはラガッツサポーターの事務手続き上の不備と言えなくもないのですが、係員はどこで釜石サポーターとラガッツサポーターを見分けていたのかな。

釜石側旗手の一人がラガッツサポーターの真後ろに陣取ったのは好判断でした。いつもどおりバックスタンド全体をカバーするためのポジショニングですが、これは絶妙でしたね。またキックオフ直前には釜石側リーダーが「さあ、こっちも負けずに応援しましょう!」と呼びかけていました。選手には選手としての戦いがあり、サポーターにはサポーターとしての戦いがある。

しかしこれを相手サポーターの応援活動を阻止することと曲解したバカが実在したのは釜石サポーターとして恥ずかしいよ。田村君のサンゴリアヌス行為を批判されての反発とはいえ、それは世間的には「逆切れ」と言われる類のものです。

釜石は日本全国どこへ行ってもホームゲームにしてしまえるほどの(潜在的なものにせよ)人気があるチームですが、その一方で相手サポーターの応援活動を数の力で封殺してきたことはなかったのか。釜石サポーターが釜石の勝利あるいは健闘を応援するのと同様の真剣さで応援する相手側サポーターの存在を失念してきたことはなかったのか。これではまるでワセダファンではないか。

ラガッツサポーターの応援スタイルがJリーグそのものであったことに対する違和感をおぼえる人がいるだろうことは想像に難くないのですが、試合後に彼らが「がんばれがんばれ、かーまいし!」とエール交換を持ちかけてきた(そして釜石側は黙殺した)ことは特に書き留めておく必要があると感じます。釜石サポーターは試合後に相手チームとエール交換をしたことは一度しかないと記憶しています。しかもそれは答礼という形でした。そのときの相手側は昔ながらの應援團スタイル(もちろん答礼は釜マン氏)、今回はJリーグ風(あいにく釜マン氏は不在)……ノーサイドの精神はラグビー特有だと主張する人たちは、まさにそのノーサイドの精神をラガッツサポーター(あるいはあなた方が軽蔑してやまないサッカー)から学ぶべきでしょう。

昔は特定チームのサポーターがスタンドの一角を占有するように陣取ることは「ラグビー精神に反する」とされていました。でも釜石がそうした非難を浴びたことはなかったように思います。応援の小旗も「ラグビー精神に反する」と非難されたことがあります。でも釜石の富来旗は好意的に扱われていたなあ。その当時ワセダファンの大部分がしていなかったことはたいてい「ラグビー精神に反する」行為として非難されていたのですから、やはり「釜石は恵まれ、配慮されたチーム」ですよ。ところがいまや日本協会がジャパンの応援グッズを販売し、サポーター席を設定する時代です。ジュビロやラガッツの応援スタイルがこの先消滅するとは考えにくいなあ。YC&ACに行けばこんなもんじゃないんですから。ただし、サッカーそのままの応援だとラグビーでは間が持たない感じがします。

ラガッツの応援スタイルについて「盗めるものは盗もう」と期待していた釜石サポーターは少なからずいたようです。口跡の悪い應援團長として知る人ぞ知る釜マン氏でさえ、釜石の応援は古臭く現代的ではないと語っています。今季から始まったタオルマフラーもよそからのパクリ、失礼、導入ですよ。次節あるいは来季、新しい応援が何か導入されるかな?

文献

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©SERPODA 作成:2004-11-27